2022年3月 8日 (火)

電子タバコの乳児誤飲

診察も終わりころ、1歳6か月の男児を抱え、電子タバコを飲んだ、とあわてて入ってこられた。当院はじめてのケースだ。以前はよくみられた、たばこ誤飲ではあるが、最近は目に見えて少なくなってた。 一方、電子タバコが増えてきており、電子タバコの誤飲もあるであろうとは思っていたが、こうして実際に経験すると、私は電子タバコそのものをよく知らず、まごついてしまう。口内に見つけて30分くらい経過しているとのことであったが、表情も変わらず、元気であり、一安心であった。2時間経過して問題なければ、まず大丈夫で、4時間経過して問題なければもう心配ないと話し、もうしばらく注意深く様子を見ていただくこととした。   電子タバコの実態を知っていないと適切な対応もできない。その後ネットで調べ、基本事項と最新情報を得ることとした。...

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2021年9月25日 (土)

帰化の不思議

8月22日の産経新聞「話の肖像画」というコラムに、「忠誠心問わない帰化の不思議」と題する評論家 石 平 氏のインタビュー記事が載っていました。 そこに、帰化の許可が下りて、法務局に来るように言われ、出向いたが、殺風景な一室で、日の丸も飾られておらず、君が代も流れずに、事務的な説明が淡々と行われて、5分ほどで終わった、と書かれてありました。 現在でも、変わらず、同じように、行われているのでしょうか。 多くの日本国民の普通の感覚としては、忠誠心までは問わなくても、国旗の掲げられた部屋で、説明し、国歌演奏を聴いてもらう必要があり、それはまた礼儀でもあると思いました。 今では、そのように変わっているのなら良いのですが。...

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2021年4月20日 (火)

土地鑑、土地勘

今日の読売新聞朝刊を読んでいた。シニアの住み替え、との記事であった。その中に「このあたりには土地鑑があるので安心・・」という一文。あれ、土地鑑、?、土地勘ではないのか。これまで何の疑いもなく、問題となることなく、「土地勘」で過ぎてきたのである。土地鑑ではピンとこない。 ウィキペディアを見てみた。  土地鑑(とちかん)とは、ある一定の範囲の地域における地形や地理、道路の構造、家屋・建物の配置、さらには生活習慣などについての知   識が、直接の経験を通して身についていることを指す。  元は警察用語。現在は「土地勘」の表記の方が一般的である。ばししば「土地勘」と表記されることがあるが、これは、ある「土地」についての「勘」がはたらく、あるいは「勘」がいい、といった連想からくる誤用であった。  現在は誤用が定着しているため読売新聞以外の新聞社、テレビ東京以外の放送局では「土地勘」ないし「土地カン」を...

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2021年4月11日 (日)

桜ごはん、「どうしてはいったのだろう」

4月4日の日曜日、久びりに名古屋の孫娘が伊賀の我が家に来てくれた。 前回、2月23日に来た時は、喰代の実家の山で、ちょうどシイタケの採取が体験でき、興味深かったとのこと。 今度は、タケノコ掘りを見たい、との希望であった。 タケノコ掘りは例年なら4月中旬なので、4日はまだ早いかと思っていたが、今年は早い、 4月4日、幸いにも3本ほどタケノコが顔を出しており、タケノコ掘りを見てもらいうことができた。 その後、岩倉峡へ桜を見に行った。 満開は少し過ぎていたが、つり橋を背景に桜の花びらが舞い、風情あるひと時を楽しめたし、子どものいる家族の良い写真も撮れた。   昼ご飯は、お店には行かずに、届けてもらって自宅で頂いた。 蓋を開けて、わー、と孫娘は声を上げたが、淡いピンクの桜ごはんも入っていた。 母親が、「桜ごはんよ」と説明すると、「どうしてはいったのだろう」と言った。孫娘、2歳9か月。 私は、この瞬...

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2021年1月26日 (火)

小児頚椎椎間板石灰化症

頸部痛で紹介した11歳男児の診療結果報告が、紹介先の総合病院から届きました。小児頚椎椎間板石灰化症、との診断結果。私には、初めての症例でした。 患児は、11歳男児で、1月17日朝より、頸部(やや右、後方中心に)の強い痛みを訴えていて、1月18日、当院を受診されました。体温37.0℃、咽頭痛を訴えるも、咽頭発赤なく、頸部リンパ節腫大なく、頸部腫瘤もなしで、首を傾けると、右後方中心に痛がりました。また、咳、鼻汁症状もありませんでした。 溶連菌迅速検査陰性で、抹消白血球数9900(Ly27%、Gr68%)で、CRP定性(+)でした。 強い頚部痛を訴えるも、他所見乏しく、診断つかず二次病院へと精査目的で紹介しました。 小児頚椎椎間板石灰化症は、比較的まれな疾患らしく、1932年にLyonにより初めて報告された。急激に頸部の激しい疼痛と可動域制限をきたし、保存的治療で治癒する予後良好な疾患。椎間板の...

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2020年12月24日 (木)

見たこともない黄色い鼻汁

黄色い鼻汁 1歳8ヶ月の男児、発熱、咳、鼻汁を呈して受診され、これまで経験のない黄色い鼻汁を鼻孔に溜めていました。 私は尋ねました。「点眼薬を使いましたか」、「はい、眼科で処方していただいた点眼薬を使用しています」とのこと。点眼薬が鼻涙管を通して鼻孔に流れ、鼻汁色調変化をきたしたのでは。 使用した点眼薬を確認したところ、レボフロキサシン点眼とトラニラスト点眼でした。トラニラスト点眼を調べてみると、本品は光によって徐々に淡い黄褐色となる、と書かれてありました。また、レボフロキサシン点眼薬も、光によって徐々に暗淡黄白色となる、とありました。これらが重なり、日光に当たり この見たこともない黄色鼻汁となったと考えたのですが、いかがでしょうか。 ...

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2020年9月22日 (火)

うれしい便りがありました。

東京の著名な小児科の先生から突然のうれしい便りがありました。 三重大学医学部卒業の先生は、母校医学部小児科の臨床教授もされていて、 学部学生の講義もなさっています。 今年はコロナ禍のため、オンラインで外来小児科の講義をされたとの事。 後日、その講義を受講された1人の女子学生から質問のメールが届いたそうです。 そのやり取りの中で、「医師を志望して医学部に入学した理由の一つに、地元でずっと通っていた小児科の開業医の先生がとても優しく、その姿に憧れていたことがあったからで、 いま考えれば、何でも話せて母親の不安を取り除いてくださった先生だったからだと思う」と書かれてあり、自分は医学生になった事を伝えておらず、出会う機会などあれば、伝えておいてくださいとも添えられていたそうです。 それで、お便りを頂いたわけですが、この女子学生の名前はよく覚えていす。顔はちょっとおもいだせませんでした。...

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2020年9月19日 (土)

思いがけない電話

診察も途切れた頃であった。電話変わってください、と受付から連絡があった。 「ご無沙汰しています。大学病院で先生にお世話になったものです。・・・・・・」。 話しているうちに、段々と思い出してきた。私が小児科に入局し、最初の1年目の病棟勤務のときの担当患者S君の母親からの電話でした。 43年前の話です。 3歳の男児で、多飲・多尿を主訴で、その精査のための大学病院入院でした。私が主治医となり、指導医のもとで、検査などを進めました。 新米医師であり、私も張り切って、各種採血や処置、負荷試験などを行い、ベットサイドにもよく通っていました。そして、先天性腎性尿崩症という診断が付きました。この症例をまとめ、小児科学会地方会で発表し、そして、小児科臨床雑誌にも症例報告しました。これが私の初めての地方会発表であり、初めての論文発表でありました。このsくんは私の医師としての出発となった患者さんです。 大学病院...

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2019年1月 3日 (木)

塙保己一

今日、1月3日、大阪のホテルで娘家族と正月の会食。二人の孫娘たちのこの一年の成長には目を見張るものがあった。 安心してのその帰り、上本町近鉄の11階にあるジュンク堂で「考える日本史」本郷和人著を購入し、電車の中で読んでいました。その、初めに、の中で、   「また、自分の妻のことなので気が引けるが一流の研究者とされている本郷恵子は、  目の不自由な大学者、塙保己一を『塙保・己一』だと認識し、・・・」と書かれてあった。 え、なに、私も「塙保・己一」と今の今までそう思っていた。 もしや、正しくは、「塙・保己一(はなわ ほきいち)」がただしいのか。 そっそく、携帯で調べてみたが、やはり、塙 保己一(はなわ ほきいち)が正しいのだ。 今年67歳になるが、「塙保 己一、はなわほ きいち」とずっと誤って覚えていたわけである。日本史の授業も高校であったはずだが、この点の言及を聞くこともなく、...

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2018年4月19日 (木)

兵は詭道なり

  今日もいつものように新聞を読んでいた。産経新聞、曽野綾子さんの「透明な歳月の光」は好きなコラムなのだが、その一文にハッとした。「孫氏は、『兵は詭道なり』と言った。」と書かれてあった。「詭道」なのか。 「兵はキドウナリ」という言葉は、これまで聞いて知ってはいたのだが、てっきり「兵は機動なり」と思いこんでいた。機動とは、部隊・兵器などを、状況に応じてすみやかに展開・運用することであり、すみやかな運用展開の重要性を言っているのだと思いこんでいたわけだ。 曽野綾子さんは続けて「つまり、戦争に勝つためには常に実情を知り、その意表ををつかなければならないのだ」と述べられていた。詭道とは、辞書には、「人をいつわりあざむくような、正道でない方法」とある。 兵は詭道なり、ちょっとお恥ずかしいが、この歳になりやっと正しい意味を知った。でもなぜか少し嬉しい。知るは喜びだ。 今回、漢...

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«この母にして、この研究者あり